THE 有頂天ホテル
- 脚本と監督:三谷幸喜
- 音楽:本間勇輔
- 出演:役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子、戸田恵子、生瀬勝久、麻生久美子、YOU、オダギリジョー、角野卓造、寺島進、浅野和之、近藤芳正、川平慈英、堀内敬子、梶原善、石井正則(アリtoキリギリス)、原田美枝子、唐沢寿明、津川雅彦、伊東四朗、西田敏行 ほか
三谷幸喜四年ぶりの新作映画は、ホテルを舞台にした群像劇。要するに、三谷幸喜のもっとも得意とする分野。出来上がったのは三谷作品の集大成(と、本人も豪語している)。とにかく笑った。張られまくった伏線が回収される快感も当然用意されている。さまざまなエピソードがすべてひとつにまとまってゆく構成には舌を巻く。三谷幸喜の過去作を観ている人へのサービス的なシーンも見受けられて、やっぱり集大成なんだなと実感。
キャストについて。個人的に注目すべきはオダギリジョー。怪演。角野卓造もテレビでは見られないコメディアンぶり。舞台出身堀内敬子はなんかわからんが存在感あり。30代半ばとは思えないキュートさも発揮して松たか子と張り合っていた。ミスキャストがいないのも三谷作品の特徴。脚本の面白さを最大限に引き出す演者の実力も垣間見る。全員に見せ場が与えられているのもよかった。あと、脇役で少しだけ出てくる出演者ひとりひとりにも要注目。
2時間16分、引き込まれた。終わってほしくないと思った映画は久しぶり。三谷幸喜の底力をみた気がする。もうとにかく観てほしい、「喜劇映画の傑作」。