サマータイムマシン・ブルース

公式→「http://stmb.playxmovie.com/

実は去年の夏に劇場で観て衝撃を受け、そんでもって今回DVDで。DVDで観るのも三回目だから、あわせればもう四回も観ていることになってしまう。が、何回観ても面白い。もう、味ありすぎ。
あらすじは公式で読んでもらうのが判りやすくていいかと思うけど、要するに、クーラーのリモコンが壊れて、そのリモコンが壊れる前の過去に、リモコンを取り戻しに行く話。SF研部員一同+写真部員2名、によるドタバタSF学園青春もの……。原作はヨーロッパ企画の舞台作品。
まず脚本。これを語らずしてこの映画は語れない。観てもらわないとわかってもらえないと思うけど、とことん緻密。伏線張りいの、回収しいの、また張りいの、回収しいの……。でも伏線だけに終始するわけがなく、SFやりつつ青春やりつつで、ストーリーそのものが脱力系でありつつ、押さえるとこはしっかり押さえてて良い。登場人物全員のキャラ立ちまくり。よく出来てます。邦画としては出色!よく書いた上田誠。……ただ、映画として致命的なのは、最初の15分が伏線まみれで全体がまったく見えないこと。
演者。瑛太、主演のようで主演でない。群像劇なので、あくまで登場人物のなかのひとりにとどまる。上野樹里も同じ。ただ、一部の面では大きくフィーチャーされるけど。あとの役者たちは、全体的に小劇場っぽい演技が目立つので、そういうのが苦手な人はとことんダメかも。ホーム・チーム与座嘉秋がいい味出してます。つか三番手か。佐々木蔵之介を筆頭とした先輩組も、抑えつつ爆発する演技がおもしろい。
ただ苦言を呈したいのは、本広克行の演出。上手くない。踊る大捜査線(TV)で見せたキレのある演出はどこへ。というか、映画をやりだしてから下手になった?それでも、この脚本をしっかりまとめた力量はやっぱりすごい。プロデュースしてくれたという意味でも、やっぱりこの人の力は大きいんだなあ……。
ちなみにDVDコレクターズエディションの、「SF研と観る」もかなり面白かった。四人集まるともう完全にSF研。