クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦

面白かった。実はまともに観るのは本当に久しぶりなんだけれど、これってこんなに面白かったっけな……?
基本はやっぱり、子供向けです。ただ、ギャグは全然子供向けじゃなかったりする。「Gメン'75」なんて、当時劇場で観た子供たちはさっぱりだったんじゃなかろうか。分かる人だけ分かればいい、そんなギャグも仕込まれています。
ストーリーはやっぱり単純明快。普通に面白いし、脚本が練られているのもよくわかります。というか、この作品はクレヨンしんちゃんの世界で、思いっきり怪獣映画をやっている。伊福部サウンドまで使っているし(ここ最高)。作られ方が完全に怪獣映画で、「ああ、こういうシーンあるよな」みたいなところまで再現。しかも、それが上手く溶け込んでいる。パロディやオマージュのオンパレードなのに、オリジナルストーリーを完成させてしまっている、その不思議。
あと、特筆すべきは丹波哲郎!アニメなのに丹波哲郎!絵が丹波哲郎で声が丹波哲郎で、セリフの内容まで完璧に丹波哲郎だ!本人役で声を当てたりするのはクレヨンしんちゃんシリーズ恒例みたいなものだけど、これは違う。本人役に限りなく近いけれど、本人役じゃない。しかもストーリーにしっかりと絡んでいる。でも、完璧に丹波哲郎丹波哲郎丹波哲郎丹波かっこいいよ丹波丹波渋いよ丹波丹波哲郎がノリノリで下ネタをやっている!モロに下ネタだぞ丹波!Gメンだぞ丹波!Gメンが下ネタしていいのか丹波!下ネタやってんのにかっこいいぞ丹波!完璧だ、丹波哲郎!でも最近本当に大霊界行ってしまわないか心配です。
やっぱり最後は感動してしまいます。アホなことをやっているのは変わりないんだけど、それで家族愛とかそういうことを表現してしまう恐ろしさ。最後はドリフ。「いい湯だな」を大合唱。それがあざとくなっていないのもいいし、むしろじーんとしてしまう。映画のエンドロールでこれをやる演出は、もはや神がかっているというほかない。