タイガー&ドラゴン 第9話

粗忽長屋

明烏」に続いて二回目の演出となる坪井敏雄。結果的に、めちゃくちゃ完成度高かった……。いやー驚いた。ある意味一番外さないディレクターなのかな。そういや木更津にも参加していたっけ。
雰囲気はこれまでの話とは随分違った気が。バイオレンスというか、クドカンドラマの持つ黒いところが出てきたなあ。「厩火事」といい、こういう黒い話も書けるのが宮藤官九郎の凄いところだと思う。それでいてやっぱりタイガー&ドラゴンの世界から逸脱しないのがよい!
前回と違って主軸がきっちり出来ているし(前述のとおり雰囲気は全然違うんだけれど)、詰め込みすぎだとかいうことも感じなかった。むしろ丁寧に描かれている印象すらあって、これならながら見でも観れるよな?とすら思ったり。
感心したのは不条理落語の表現方法で、なるほどこういう形でヤクザものであることも活かせるのだな、と思った。結果的にそれが雰囲気の変貌を助けているし、簡単に落ち着かせやしねえよ、ってことなんだなあ。脚本の完成度が高い回でした。役者たちの演技もまたよし。
ゲストは北村一輝。面白かった。暴走とまではいかなくって、やっぱり調節の効く役者なんだな。あと思いのほかクドカン脚本にマッチしていたので、これからもクドカンワールドに出てきてほしい!猪野学*1がこんな形で出てきたのも驚いたし、大人計画少路勇介もいい味出てたと思う。橋本じゅん*2も、ここにきて登場するとは……。面白いんだけど、怖さのサジ加減が絶妙。
あと個人的に、ヤスオの出身地が三重だったのがうれしかった。やっぱり自分の住んでるところが出てくるとうれしいね。

*1:ピュア・ラブの坊さん役が有名

*2:劇団☆新感線