Vフォー・ヴェンデッタ

ゴールデンウィーク真っ只中。アニメ映画目当ての家族連れやら某ラップでラブでライブでピースな映画目当ての女子高生やらにまぎれて観てきたりなんかして。
ひとことに言えば、俺はものすごく嵌ってしまった感じ。しかし万人にお薦めできないのが、もどかしい。アクション映画の皮を被った社会派スリラーとでもいえばいいのか。政治的メッセージとかもう、びゅんびゅん飛んでくる。で、それを映画や小説の名作から一節を引用したりする薀蓄垂れ流し風味で和えて、それでも厭味のないように、ないように、エンターテインメント。もう全部許しちゃう。
ストーリーは難しい、けど言論弾圧や政治的暴力が横行しまくりな独裁社会のイギリスが舞台。で、テロリストのVが暴れまわる話。こう書くと難しくもないか。でも、もちろんそれだけじゃなく、しっかりと深いとこまで描いてある話になってます。というか、その絶妙な深さ加減がいい。
物語的には結構ヘビーだけど、なんかところどころで笑いを挟むのも個人的には嫌いじゃない。バランスいいんです。アクションシーンは多くないけど、量を補って余りある完成度。くらくらします。で、ラストは大団円。なぜかすごい開放感に包まれる、といったところ。というか、ドミノシーンを筆頭にいちいち演出センスに惚れ惚れした。
特筆。なんといってももうこの人を語らずにこの映画は語れない!ヒューゴ・ウィービング。V役。顔出さない!でも台詞回しから始まって細かい所作まで、とにかく格好良い。出てきた瞬間から独特の佇まいで、スミスやってた人とはどうしても思えない。
とりあえず、今年公開の映画では今のところ一番かな。面白かった。満足。しかし人を選ぶので、観に行く人は要注意。
しかしアメコミの実写映画化ははずれも多いけど当たりも多いな。日本ももう少しがんばってください。